伊達氏伝統の宿痾となった親子相剋。最後には息子が勝利するというのも恒例となっていますが、あくまで伊達氏の立場で論じますが、晴宗が勝利して良かったな~と思います。
なぜ稙宗が勝利するとまずいのか?それは後継者の問題が噴出してくるからです。
稙宗が勝利すれば当然、家督相続予定者である晴宗は廃嫡されるでしょう。そうなれば晴宗の次男が相続することもなくなるでしょうし、さらにその長男が日の目を見ることもありません。よくて親族として本家に準ずる一生を過ごすことになったでしょう。そうなれば渡辺謙さんの出番も、ダース・ベイダーの鎧兜も、指の間に刀を何本も構えたイケメン武将とか、そういうのが全て無くなる訳ですから、後世の歴史好きには大打撃になったことでしょう(そうなのか?)。
まぁそれは冗談ですけど、晴宗廃嫡後の家督を稙宗はどうするつもりだったのでしょうか。
伊達稙宗にはわかっているだけで14人の男子がいます。わかっている、というのは、わからなくなっている子供の有無が推測されるからです。
極楽院宗栄という山伏の養子になった人物。いつしか存在を忘れられ、江戸時代、子孫が稙宗の証文を藩に提出して始めて伊達家の公式記録に認知された事情がありました。
ということは、母親の身分が低いなどの理由で、系図に載らなかった隠し子的な伜もいたんでしょうけど、それらは考えてもしょうがないのでおいといて、今系図にある14人の男子たち、他家に養子に出された葛西晴清、大崎義宣、村田宗殖、亘理元宗、実元も晴れて上杉に養子入り叶ったでしょうから、これらは勿論、後継者候補からは除かれます。早世した玄蕃丸、桑折宗貞、亘理綱宗、七郎、そして出家した大有康甫らは当然除外となります。
消去法で残ったのは宗澄、宗清という息子達ですが、ひょっとしたら稙宗はこの二人を家督のスペアとして残していたのでしょうか。
仮に稙宗が勝利し、晴宗が廃嫡され、宗澄か宗清が伊達家の正式な家督になった時、昨日まで庶子として部屋住み、冷や飯喰らい、ニート、自由気儘だが浮かばれることのない人生を、好むと好まざるとに関わらず、してきた人物が、今からそなたは伊達家家督って言われて、よっしゃやるぜってなる程、戦国乱世は甘くはありません。本人達がよくとも、家臣領民や、種馬パパが撒き散らして親族化せしめた大名領主どもが新しい後継者を是と認めなければ、常に内憂外患の恐れに悩まされることでしょう。
意外にも稙宗には伊達家のその後を託せる男子に事欠いていました。その点でも幼少の頃より後継者として帝王学を仕込まれ、いわば高校大学の年齢で大名デビューを果たした晴宗を置いて、伊達家家督はあり得なかったのです。
28に続きます。
なぜ稙宗が勝利するとまずいのか?それは後継者の問題が噴出してくるからです。
稙宗が勝利すれば当然、家督相続予定者である晴宗は廃嫡されるでしょう。そうなれば晴宗の次男が相続することもなくなるでしょうし、さらにその長男が日の目を見ることもありません。よくて親族として本家に準ずる一生を過ごすことになったでしょう。そうなれば渡辺謙さんの出番も、ダース・ベイダーの鎧兜も、指の間に刀を何本も構えたイケメン武将とか、そういうのが全て無くなる訳ですから、後世の歴史好きには大打撃になったことでしょう(そうなのか?)。
まぁそれは冗談ですけど、晴宗廃嫡後の家督を稙宗はどうするつもりだったのでしょうか。
伊達稙宗にはわかっているだけで14人の男子がいます。わかっている、というのは、わからなくなっている子供の有無が推測されるからです。
極楽院宗栄という山伏の養子になった人物。いつしか存在を忘れられ、江戸時代、子孫が稙宗の証文を藩に提出して始めて伊達家の公式記録に認知された事情がありました。
ということは、母親の身分が低いなどの理由で、系図に載らなかった隠し子的な伜もいたんでしょうけど、それらは考えてもしょうがないのでおいといて、今系図にある14人の男子たち、他家に養子に出された葛西晴清、大崎義宣、村田宗殖、亘理元宗、実元も晴れて上杉に養子入り叶ったでしょうから、これらは勿論、後継者候補からは除かれます。早世した玄蕃丸、桑折宗貞、亘理綱宗、七郎、そして出家した大有康甫らは当然除外となります。
消去法で残ったのは宗澄、宗清という息子達ですが、ひょっとしたら稙宗はこの二人を家督のスペアとして残していたのでしょうか。
仮に稙宗が勝利し、晴宗が廃嫡され、宗澄か宗清が伊達家の正式な家督になった時、昨日まで庶子として部屋住み、冷や飯喰らい、ニート、自由気儘だが浮かばれることのない人生を、好むと好まざるとに関わらず、してきた人物が、今からそなたは伊達家家督って言われて、よっしゃやるぜってなる程、戦国乱世は甘くはありません。本人達がよくとも、家臣領民や、種馬パパが撒き散らして親族化せしめた大名領主どもが新しい後継者を是と認めなければ、常に内憂外患の恐れに悩まされることでしょう。
意外にも稙宗には伊達家のその後を託せる男子に事欠いていました。その点でも幼少の頃より後継者として帝王学を仕込まれ、いわば高校大学の年齢で大名デビューを果たした晴宗を置いて、伊達家家督はあり得なかったのです。
28に続きます。